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4:00AM

”考えろ”なんて言わないから

暖炉のそばで

出鱈目な言葉ばっかり。
それは暖炉に向かって吐くべきもの。
けれど、私がここに来たのは、それを聴くためだから。
あなたは思い通りにやれるよ。
きっといつだって、”手加減”にも似たような感覚で、中途半端に手を握っていたんでしょう?
あなたが気づいているなら、私が気づいてやる必要は無かったかもしれないね。

 

あの馬車から逃げたっていいよ。
探し物が見つからなくて、いつのまにか夜になってしまった。
毎晩、彼らは良くない知らせばかり、大声で叫んでいる。
私たちには関係が無いけど、昨日だって酷かったんだよ。
何か手を打たなければ、そう思っているんだけど、どうだろう。

 

真っ暗な夜だった。
何も見えない。
小鳩だってきっと、眠ってしまった。
パンくずなんて、最初から見たくはなかった?
今はむしろ、外のほうで揺れてる火を眺めていたいのかもね。
苦しかったことを、ずっと引きずっているから。
前いた場所に戻ってしまいたくもなるものよ。
残酷な人たちのことを、きっと忘れられないと思う。
憎しみは無くなって、何か別の形に変わっていくような気がするの。
いいえ、私だってわからないよ。

 

あなたは変わった。
前よりもっと、優しくなったし、繊細になったし。
そう、その細い指に似合う子になってきたじゃない。
綺麗な人になれるよ。
私はずっと願っているけど、きっと叶う。
その目で、私のことも、他の誰かのことも、温かさで守ってくれる。

 

―――どうか気に留めないで。
私のことなんか、どうだっていいの。
あなたにはそんなこと知らないで、いつも通り暮らしていてほしい。
つらいことはもう消えてしまったけれど、きっとそのうち、また別の顔をしてやって来るからね。
あなたなら大丈夫だって思うの。
でもあなたは不安で仕方が無い。
可笑しいね。

 

はぁ。
外は寒そうね。
行きたくないなぁ。
私はね、この夜に居なくなってしまうから。
その前にあなたに会いに来たの。
とってもわがままなことをしたね。ごめんなさい。
でも安心した。

 

怖がらなくていいよ。
傍にいないけど、私はあなたを見てる。
もしかしたら本当に?って思っちゃうかもしれないけど・・・ううん、大丈夫だよ。
ほら、ね。手を見せて。
こんなに温かいんだから、もう十分だよ。
大切にしてね。
あなたが得た心は、あなたが守らなきゃ。
忘れてない。隅で眠っているだけの子もいるけれど。
信じさせて。

 

またね。
雪を見たら思い出して。
寂しくなってしまうから!
きっとね!

だから、おやすみなさい。

良い夢を見てね。