ただの1日

この騒がしさが苦手で、テレビを見ているといろんなことを思い出してしまって苦しくなる。
自分で目に映るものが操作できなければ、避けていたものにまた出会ってしまう。
僕は目を逸らして、それから逃げた。
この雰囲気の中で、どこにも弱音を吐けなくなってしまう。
なんだかすごく寂しくて、とりあえずまた一人で閉じこもろうとする。
いつもと変わらない日のままであってほしかった。
それはいつも願っている事じゃない。
いつもこの日には、死んでしまいたいと思わないこともなくなってしまった。

 

でもただの1日。
今日何かが終わるわけじゃない。
人生や、この冬は終わらないし、人の居場所だって、変わらない。
ずっと長い未来にも、昔好きだった誰かにとっての心地よい居場所があればいいと願うだけ。
自分の力ではどうにもできない無力感を遮ってくれるものは無い。
願うっていうのは、相当深刻なお願いなんだと。
これはもう身を清潔に保つための言い訳では無くなった。

 

大変な年だったけど、頑張って生きた。
でもこんなのがずっと続くなら……そう思ってしまう。
年々苦しくなっていく。
いろんなことが分かってきて、分からないことも増えてきて、終いには信じられないものも増えた。
汚してしまったいろいろをまた綺麗にする方法だけを考えていたら、結局理性はそれ以上働けなかった。
人や、その未来を恨んだりした。
思い出すと死にたくなるような記憶を、後から増やしてしまった。
頑張った。
けど、報われなかったと言ってしまいたくなる結末があった。
独りで居るのがどれだけ楽か。
幸せに払う対価とリスクの、自分には手に負えないほど大きいこと。
目の前にそれがあれば、多少のリスクも無視してしまえる自分の凡庸さ。
人間と、人間どうしを繋ぐ線の不安定すぎる感じ。
恐ろしいことを知るために、傷を増やすために、破滅に向かって頑張ったとでもいうような精神生活。
疲れたなあ。

 

怖いことは、自分の状態に関係なく、将来に長く重く横たわっている。
確かに感じていた希望は、そこから目を逸らしてくれていただけ。
希望ってそういうものか。
ある人に、自分にとっての人間のすべてを賭けてしまって、そのせいでつらい思いをさせた。
まっとうではないやり方で心を傷つけてしまったし、自分はそれどころじゃなかったという言い訳が出てくるならやっぱり自分の能力不足だったってことだと思う。
自分なんて自分以外の中に居なかった。実感した。
もう救いようが無い。光やはけ口なんて絶対ない。
心が痛い。何を願ったって意味がない。
もうずっと整理がついてない。
助けがあったらあったで同じことを繰り返すだけだと思う。
もう救われちゃいけないんだ自分は。そういうことにしないといまは生きてられない。
すごくしんどい。で、口を閉じる。
身体じゅうを掻きむしって泣く。

 

さよなら。

 

悲しみのベールをまとった花嫁 どうか幸せになっておくれ
すてきな花婿 あなたは彼女に居場所を与えてやってくれ
騒々しくて無骨な愛人よ、彼女に優しくしておくれ
でも彼女は、君を"愛している"というよりは、"必要としている"のだけれど

 

The Smiths - I Know It's Over