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教訓じみた印象を頭の中に張り巡らせている。
世界は思ったより暗い。
でもそこに何かの意思がある訳では無い。
僕を押し潰そうという悪意は無いはず、でも暗いように思えるのは、夜といっしょだ。
夜の暗いことに憤ったことなんて無い。
何の意思も介在しないまま、心に闇をもってくる。
まるで当たり前のような顔をした人たちがそれを、ぼくのところに置き去りにしていく。
あっけなく、何も言えないまま捨て置かれたそれが、純粋な闇ではなかったとしても、あまり関係が無い。
一抹の希望なんてのはあったとしても、すぐ隣の闇が染み込んでお終いだった。
10の僥倖と1つの失敗が散らばって、順番に並べた最後に現れたのがその1つだったなら、それまであった10の幸せは全部一つの悲劇として固まってしまう。
それは今も心の中で、まるで癌みたいにくっついて離れてくれない。
いまになって思い出すものは、今度は先のことも蝕んでいこうとする。
また同じことで悲しみたくはない。
「どうせ裏切られる」
たいして期待もしていなかったはずなのに、いつの間にかその他の自分を塗りつぶしてしまっていた。
帰る場所を見失った(駄目にしたのは自分だ)まま現在地に大きな穴が空いた。
それとも、他の事なんて考えられただろうか?

 

また不誠実を働いて、二人のことが二人だけの事として収まっているうちは問題無くて、そこに全てを委ねている。
自分のことを許しているのに、他人のそれをすることを許せないでいるのが可笑しくて。
本当に間違っちゃってるのは自分じゃないのかって、最近は思うようになってきたんです。