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今年の僕には、夏も秋も冬も無いような気がする。
かろうじて春は今日見てきた。
来週で潰えてしまうから、しばらく後の記憶にできるよう、できる努力をしてみたい。

 

過去と未来は平等に対峙しない。
価値観の比重は人によるものか、実は一致するのか。
不確定なものはどうしても信じられない。
期待は防衛本能だ。
未来に起こり得る何か恐ろしいことから、僕はずっと目を背けていたい。
日々をやりすごすことは、もうできないらしい。
一日が終わることが、当たり前に恐ろしい。
Baby you can / Baby you can ...
前は何処で休んだ?
4つほどある恐怖の輪郭を、より一層不鮮明にしていくと、死ぬことが何なのか分からなくなる。
少し先で連番が途切れているのが見える。

 

―――

 

寂しいって感情はあまり純粋ではないようだ。
まるで自分の所有物であるかのように扱っていた人間が、自分から離れていったり、他人の物になってしまうのが悔しいとか、憎らしいとか。
そんな綺麗でないものの寄せ集め、簡略表現に過ぎないのかもなあ、なんて。
ずっと綺麗な人間でいたいと願う。
真っ白。

 

「感情」という言葉で一まとめにするけれど、本当はそれぞれ全くの別物であるわけで。
好きも嫌いも悲しいも嬉しいも寂しいと憎らしいも、全部違うもの。
対立するように見えるものだって、天秤にかけてみればつりあわないし。
言葉で捉えることしかできないものは多くあって、それに気づくたびに真実に触れないことを嘆いている。
言語間で多少の違いがあるだろう。
感情の語彙はまだまだ豊富とは言い切れないように思う。

 

――

 

幼い子供たちが僕を先導して歩いていく。
久しぶりに会った。
名前は覚えてもらえていない。
向日葵なんて、いつも俯いているように見える。
その方が、少し嬉しそうな雰囲気がある。
虫取り網を持って僕を殴るのが好きな、下の子は笑う。
車がまったく通らない道を、のぼっていく。
神社は相変わらずそこにあって、いつも僕らを出迎えてくれるような気がした。
だからただいまって小さな声で言った。
でも或る時から蝉の鳴き声は、聴こえなくなった。
家に帰るとあの子は、風船のハンマーでも僕をしきりに叩いていた。
でも大きなぬいぐるみは、ずっと大事に抱きかかえていた。
夜はおやすみなさいと言って、暗闇で埃が舞っている部屋に消えていく。
何を考えていたんだろう。

 

写真を整理していたら思い出した、2015年の夏。

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