待合室

動物的なフォービートに圧迫されて声が出なくなる。
理性も抑制もないような音だけが近くに迫ってきて、泣きそうになる。
考えなければ何もないけれど、それでもいつかあった感覚を否定しない。
明日が無い、怖いと思えば、それはいつも正解だったから。
ふと、ここにいるのが恐ろしくなる。
ちょっとした怒りを見続けて、気分が悪くなってサンドバッグを欲しがる。
きっと人ではないような表情で永遠に殴り続けるんだろうか、それでも人らしい。
うずくまっていい。
あなたは目を閉じていい。それでいい。
それならいい。

 

言葉に込める心がどこにあるか分からないから、希望の言葉はいつも器だけで転がっていく。
よく考えればそうだ。
誰にそんなものを生み出せるっていうんだろう、希望も絶望も無いひとたちがそんなことしようたって無理じゃないか。
それでも同時に、発信するひとなんて関係なく、それはばら撒かれるんだろうとも思う。
深い傷跡をみせて何かを感じてもらおうなんて持って回ったことはしないで、ただ馬鹿やってれば響いてしまうこともある。
中年の男たちが花を配っていた。何かの式典で余ったんだろうと思う。
待っている人の電車はまだ時間があった。僕は疲れ切っていて、待合室のなかのひとつに座って、ぼんやりと、少し嬉しそうに花を貰う女の人たちを眺めていた。
何を思ったわけでもないけど。
ただなんとなく、いいなって感じがした。

 

穏やかで、平穏で、安寧があって、順調な生活を
そんなことを何度も願ってきた。
いま自分がその中にいるかもしれないと思うことは何度もある。
けど、心はいつも不安で、僕は少しの安寧の、受け皿すらもっていないのかとうんざりする。
目の前で笑ってくれる、笑わせてくれる人は居るのに。
また無くすのが怖くて、僕だけが取りこぼしてしまうのが怖くて、うれしいことでも気が重い。
明日、とりあえず明日だけ頑張ってみよう、その後は知らない。
そうやって這って進むのがいい。
もう何が幸せか分からない。

 

ここで全て終わらせよう 一瞬だ

飛び下りればいいだけ

だけど笑ったり だけど歌ったり

だけど愛された時もあったよな

 

Yellow Studs - 夜空に願いを

 


最近無理に搾り出してこれを書いている。

すごく焦ってる。