4/16

今年の僕には、夏も秋も冬も無いような気がする。
かろうじて春は今日見てきた。
来週で潰えてしまうから、しばらく後の記憶にできるよう、できる努力をしてみたい。

 

過去と未来は平等に対峙しない。
価値観の比重は人によるものか、実は一致するのか。
不確定なものはどうしても信じられない。
期待は防衛本能だ。
未来に起こり得る何か恐ろしいことから、僕はずっと目を背けていたい。
日々をやりすごすことは、もうできないらしい。
一日が終わることが、当たり前に恐ろしい。
Baby you can / Baby you can ...
前は何処で休んだ?
4つほどある恐怖の輪郭を、より一層不鮮明にしていくと、死ぬことが何なのか分からなくなる。
少し先で連番が途切れているのが見える。

 

―――

 

寂しいって感情はあまり純粋ではないようだ。
まるで自分の所有物であるかのように扱っていた人間が、自分から離れていったり、他人の物になってしまうのが悔しいとか、憎らしいとか。
そんな綺麗でないものの寄せ集め、簡略表現に過ぎないのかもなあ、なんて。
ずっと綺麗な人間でいたいと願う。
真っ白。

 

「感情」という言葉で一まとめにするけれど、本当はそれぞれ全くの別物であるわけで。
好きも嫌いも悲しいも嬉しいも寂しいと憎らしいも、全部違うもの。
対立するように見えるものだって、天秤にかけてみればつりあわないし。
言葉で捉えることしかできないものは多くあって、それに気づくたびに真実に触れないことを嘆いている。
言語間で多少の違いがあるだろう。
感情の語彙はまだまだ豊富とは言い切れないように思う。

 

――

 

幼い子供たちが僕を先導して歩いていく。
久しぶりに会った。
名前は覚えてもらえていない。
向日葵なんて、いつも俯いているように見える。
その方が、少し嬉しそうな雰囲気がある。
虫取り網を持って僕を殴るのが好きな、下の子は笑う。
車がまったく通らない道を、のぼっていく。
神社は相変わらずそこにあって、いつも僕らを出迎えてくれるような気がした。
だからただいまって小さな声で言った。
でも或る時から蝉の鳴き声は、聴こえなくなった。
家に帰るとあの子は、風船のハンマーでも僕をしきりに叩いていた。
でも大きなぬいぐるみは、ずっと大事に抱きかかえていた。
夜はおやすみなさいと言って、暗闇で埃が舞っている部屋に消えていく。
何を考えていたんだろう。

 

写真を整理していたら思い出した、2015年の夏。

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12/27

独りでいることや友達が欲しいということについて。

 

 

em

これまで、一体どれほど叫んだだろう。
報われないものや、本当に欲しているもののことを。
目に見えていたものは、徐々に変わっていき、僕の手がかじかんだまま、それは遠くに行ってしまう。
聴こえている?
きっと、聴こえていないのだろう。
確率の推定は実に意味の無いことで、分かり切ったことばかりを必死に考え直していた。
この街を見下ろしていて思うことは、いつもと変わりなかった。
心臓は全てを知っている。
”この意気地なしは、また決断を遅らせるつもりだ。”
きっとその通りだ。
それはまるで、通り過ぎた選択肢を振り返りながら、半ば永遠に後悔を続けるようなもの。
それでも僕は、そんな自分を肯定し続けてきただろう。
言葉を見失って、意味や環境の声だけを頼りにしていた僕は、また変わってしまった。
気がつかないうちに、過去の自分は遠くに居る。
必死に手繰り寄せても、彼は消えていく。
簡単なことだった。
いつでも未来を嫌っていたはずなのに、過去に嫌われないように努めることだけを考えていた。
求められたのは、どうにかして、すれ違っているその理論の筋を通すこと。
相関図を思考に張り巡らせ、最も安全な線を辿って僕に追いつこうとしているうちに、多くの選択を誤った。
ますます自分が分裂して増えていく様を見ている。

 

― ― ― ― ―
同時に、忘れてはいけないことがたくさんある。
彼らはそれを共有するべきだし、それが出来るならまた別の方法があっただろう。
あいにく僕は不器用な人間なので、思いを外に吐き出すことでしか輪郭を掴めないのだ。
同じ方法は長く続かない。
そこで躓いて、長く困惑していたときのことを思い出す。
それさえも、今の僕に繋がる、何か大切な事を抱えて笑っている。
安心してしまう。
後ろを振り返ったとき、過去の僕は、今の僕を嫌ってなんかいないと、そう思えるから。
嘘じゃない。
悲しみや涙や、些細な感傷も、全部僕の中でちゃんと形を持っていたって教えてくれる。
感情を信じてみようと思える。
もっと透明な水の中へ、澄んだ空気を吸って、実体を持った思いを携えて、前を向いている。
ぜんぶ、苦痛の結果だから。
昔の自分は、きっと可笑しくて笑っているだろう。
けれど、否定しないだろう。

 

― ― ― ― ―
恐ろしいことは、この先たくさんある。
どろどろした真っ暗闇も手放さないで、たまには泣いたっていいだろう。
僕なりのやり方は、多分感覚的に分かっている。
方法論は通用しないのだからそれが全てだ。

 

これは、
区切りをつけるための言葉。
目標を定めるための言葉。
新しいものに気づくための言葉。

 

言葉は簡単だ。
文章量が思考プロセスと経過時間に見合ってない。
思ったことをメモするだけ。
ってのがここの初めの目的だったな、多分。

 

じゃあ人間、これからもよろしく。
今日はそんなことを言える気分。