6/25

親しい誰かが死ぬ想像。自分が死ぬ想像。
そこに隠れている喜びはいつもどこかで願ってきたもので、真っ白な部屋でしかあり得ない幸福な死だけを思い浮かべて祈っていたもの。
それでも、少しの間の痛みや悲しみがそれを覆って見えなくする。
自分が死を選んだら、もう頑張らなくていいんだ、みたいに。
息が出来ない、水面からようやく顔を出した時みたいに。
死んでしまったら、ひたすら深呼吸ができたらいい。
僕が願う人なら誰でも、きっと楽になれたらいいなと思う。
それが誰のことでもいい。

 

選択をしたいと思っている。
気の準備もないまま、殺されてしまうのは残酷だことだから。
まさに殺されることと、心臓に自分の針を刺すことは区別できる。

 

それでも、
選択を逃れたいとも思っている。
責任感の吹っ飛んだ誰かがいつの時代も叫んでいるように、現実感の無い花畑を歩く想像は難しいけれど。
何かを選び取って残りを捨ててしまうことが恐ろしいと感じないことは無かった。

 

―――――

 

みんなが孤独を歌にした。
触れる物は孤独、孤独、黒いシミが伝播していく。
誰にも隣り合っていないと言う癖に、それは確実に伝わっていく。
変わってしまった僕の心は人の孤独に唾を吐いた。
何よりも強く主張しようとして手を伸ばした人を嫌った。
何も強調しないことが趣味の良さだなんて思っちゃいない。
空虚な街で新聞を読んでいるだけならそれでいい。
でもそれで、本当のものを隠してしまうのはお前たちだと。
死んだ仲間の隣で同じ格好、死んだふりをしてまで。
目印ひとつをもらうことだけに必死になって。

 

胸が詰まって動けなくなるような、悲しい話を聞く。
僕では耐えられないから、僕ではその苦痛や孤独を無意味にしてしまうだけだから、と言って目を背けた。
どうしようもないと言い放ってしまえば、自分だけ楽になれたと思う。
もし何かできることがあっても、もともとこんな不安定な地面の上で願ってたら、受け皿の見つからない幸福になり下がってしまうような気もした。
そんなものいらない、とも言えない、けど手に余ってしまう。
明け渡すほど他人に価値を見いだせない。
どうしようもないじゃないか、と息を吐いている。
「楽になれたらいいなあ」
切実な感情というものが本当に心に染み込むものであってほしいと願ってる。

短夜

0514
いつか忘れてしまうようなことを、いま確かに握っている気がする。
ずっと後になってそれが無いことに気づいて後悔するもの。
確かにここにあったことだけは、せめて思い出せるように。
ピアノの音を流しただけの夜。
いつか自分のものにしてしまいたいと願う。

 

0515
ラッキーな日は、アンラッキーを待つ日。
幸福な日は、明日はきっと良くないことが起こると理解する日だから。
それだけでもうたくさんになってしまって、幸福なんて結局分かってない。
きっと今あるものだと思うけど。

 

彼らはいつも、僕が死んでしまいたい理由だけを投げつけてくる。
分かり切ったことを大声で言って、僕は何度もそれを確認するだけ。
人に頼むくらいなら自分でやるよ。
言えないくらい情けなくて、頼めやしないだろう。

過去や未来から、優しい言葉が飛んでくる。それは自分のもの。
どれだけ気を遣って誤魔化した言葉も、自分相手では通用しない。
うそ、うそだと分かってしまう。
いつも通りの帰着点。

 

0516
虚無、通った跡に何も残らない。
勉強も頭に入らない、時間の浪費。
空っぽな日だった。
前から同じような日はあった。

 

0523
メンタルとフィジカルの解離。
身体を動かして何かしているときも、頭はまったく違うことを考えていて、その直後にはもう自分が何やってたか分からなくなってしまう。
鍵をかけたことを確認する作業を、何回か繰り返す。
いくら中身を確認しても、忘れ物を心配してしまう。
行動とそれに起因する感情、思考が伴わないと記憶から消えてしまう。

 

―――――

夜更かしは遅くても3時。
早起きは早くても5時。
AM4:00という時間が、自然に別の意味を持ち始めた。
必ず寝ている時間。

 

最近雨が多くてつらい。

 

The best is over and the worst is yet to come

 

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5/10

何も考えていない時間や、そうでなくてもくだらないことを考えている時間が増えたような気がする。
大事な事を忘れっぱなしにしているみたいで、上手に考え事が進まなくなっている。
本を読んでも、活字と脳の間に変な仕切りがあって内容を上手く読み込めないし、ましていつもやってたように同時並行で思考を繋げることも出来ない。
何が原因なのか分からない。自然とか季節とか、そんなもので済めば良いと思う。

 

幻滅されてしまうことをいつもいつも怖がっていた。
いつかそういう時が来るんだろうとずっと思っていた。
でも実際、この現状が恐れていたそれだとしたら、僕は実感を掴めていない。
いつも、過去や未来のことを楽しみにしたり怖がったり悲しんだりしているのに、現実、現在には信じられないくらい無頓着だ。
だから余計な失敗をして、過去のそれをずっと心配してしまう。
自分に向けられたものではない言葉も、一瞬自分のことかと思って焦ったりもする。
もし本当に自分のことだったとしても、僕は関与しない。
つまらない人間に対するつまらない対抗心だけは残っている。

4/16

今年の僕には、夏も秋も冬も無いような気がする。
かろうじて春は今日見てきた。
来週で潰えてしまうから、しばらく後の記憶にできるよう、できる努力をしてみたい。

 

過去と未来は平等に対峙しない。
価値観の比重は人によるものか、実は一致するのか。
不確定なものはどうしても信じられない。
期待は防衛本能だ。
未来に起こり得る何か恐ろしいことから、僕はずっと目を背けていたい。
日々をやりすごすことは、もうできないらしい。
一日が終わることが、当たり前に恐ろしい。
Baby you can / Baby you can ...
前は何処で休んだ?
4つほどある恐怖の輪郭を、より一層不鮮明にしていくと、死ぬことが何なのか分からなくなる。
少し先で連番が途切れているのが見える。

 

―――

 

寂しいって感情はあまり純粋ではないようだ。
まるで自分の所有物であるかのように扱っていた人間が、自分から離れていったり、他人の物になってしまうのが悔しいとか、憎らしいとか。
そんな綺麗でないものの寄せ集め、簡略表現に過ぎないのかもなあ、なんて。
ずっと綺麗な人間でいたいと願う。
真っ白。

 

「感情」という言葉で一まとめにするけれど、本当はそれぞれ全くの別物であるわけで。
好きも嫌いも悲しいも嬉しいも寂しいと憎らしいも、全部違うもの。
対立するように見えるものだって、天秤にかけてみればつりあわないし。
言葉で捉えることしかできないものは多くあって、それに気づくたびに真実に触れないことを嘆いている。
言語間で多少の違いがあるだろう。
感情の語彙はまだまだ豊富とは言い切れないように思う。

 

――

 

幼い子供たちが僕を先導して歩いていく。
久しぶりに会った。
名前は覚えてもらえていない。
向日葵なんて、いつも俯いているように見える。
その方が、少し嬉しそうな雰囲気がある。
虫取り網を持って僕を殴るのが好きな、下の子は笑う。
車がまったく通らない道を、のぼっていく。
神社は相変わらずそこにあって、いつも僕らを出迎えてくれるような気がした。
だからただいまって小さな声で言った。
でも或る時から蝉の鳴き声は、聴こえなくなった。
家に帰るとあの子は、風船のハンマーでも僕をしきりに叩いていた。
でも大きなぬいぐるみは、ずっと大事に抱きかかえていた。
夜はおやすみなさいと言って、暗闇で埃が舞っている部屋に消えていく。
何を考えていたんだろう。

 

写真を整理していたら思い出した、2015年の夏。

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12/27

独りでいることや友達が欲しいということについて。

 

 

em

これまで、一体どれほど叫んだだろう。
報われないものや、本当に欲しているもののことを。
目に見えていたものは、徐々に変わっていき、僕の手がかじかんだまま、それは遠くに行ってしまう。
聴こえている?
きっと、聴こえていないのだろう。
確率の推定は実に意味の無いことで、分かり切ったことばかりを必死に考え直していた。
この街を見下ろしていて思うことは、いつもと変わりなかった。
心臓は全てを知っている。
”この意気地なしは、また決断を遅らせるつもりだ。”
きっとその通りだ。
それはまるで、通り過ぎた選択肢を振り返りながら、半ば永遠に後悔を続けるようなもの。
それでも僕は、そんな自分を肯定し続けてきただろう。
言葉を見失って、意味や環境の声だけを頼りにしていた僕は、また変わってしまった。
気がつかないうちに、過去の自分は遠くに居る。
必死に手繰り寄せても、彼は消えていく。
簡単なことだった。
いつでも未来を嫌っていたはずなのに、過去に嫌われないように努めることだけを考えていた。
求められたのは、どうにかして、すれ違っているその理論の筋を通すこと。
相関図を思考に張り巡らせ、最も安全な線を辿って僕に追いつこうとしているうちに、多くの選択を誤った。
ますます自分が分裂して増えていく様を見ている。

 

― ― ― ― ―
同時に、忘れてはいけないことがたくさんある。
彼らはそれを共有するべきだし、それが出来るならまた別の方法があっただろう。
あいにく僕は不器用な人間なので、思いを外に吐き出すことでしか輪郭を掴めないのだ。
同じ方法は長く続かない。
そこで躓いて、長く困惑していたときのことを思い出す。
それさえも、今の僕に繋がる、何か大切な事を抱えて笑っている。
安心してしまう。
後ろを振り返ったとき、過去の僕は、今の僕を嫌ってなんかいないと、そう思えるから。
嘘じゃない。
悲しみや涙や、些細な感傷も、全部僕の中でちゃんと形を持っていたって教えてくれる。
感情を信じてみようと思える。
もっと透明な水の中へ、澄んだ空気を吸って、実体を持った思いを携えて、前を向いている。
ぜんぶ、苦痛の結果だから。
昔の自分は、きっと可笑しくて笑っているだろう。
けれど、否定しないだろう。

 

― ― ― ― ―
恐ろしいことは、この先たくさんある。
どろどろした真っ暗闇も手放さないで、たまには泣いたっていいだろう。
僕なりのやり方は、多分感覚的に分かっている。
方法論は通用しないのだからそれが全てだ。

 

これは、
区切りをつけるための言葉。
目標を定めるための言葉。
新しいものに気づくための言葉。

 

言葉は簡単だ。
文章量が思考プロセスと経過時間に見合ってない。
思ったことをメモするだけ。
ってのがここの初めの目的だったな、多分。

 

じゃあ人間、これからもよろしく。
今日はそんなことを言える気分。